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【雑談】日本人「だけ」読めないフォント!? 「Electroharmonix」で遊んでみた|wachico.

デザイナーのwachico.(わちこ)です。

遅ればせながら新年明けましておめでとうございます。私は2025年、またしても相変わらずダラダラしっぱなしの正月休みを過ごしたわけでございますが、その最中に何やら愉快なモノを発見したので、今回はそのお話でも。

皆様はElectroharmonix エレクトロハーモニクス というフォントをご存知でしょうか。この欧文フォントはカナダ出身のデザイナー・Ray Larabieさんが無料で公開しているもので、規約の範囲内なら商用利用もOK。その大きな特徴は……まあ、まずはどんなものか見て頂きましょう。

フォント「Electroharmonix」で作ったアルファベット一覧表
なんだこれは(なんだこれは)

ぱっと見はカタカナっぽいけど…なんか違和感。ひらがならしき文字もあるし、よくよく見るとどう見ても漢字にしか見えないものもあったりします。なんだこれは。

先にネタバラシすると、実はこのフォント、Ray Larabieさんが日本語のカタカナやひらがなをモチーフにデザインした欧文フォントなのです! この発想にはもう脱帽するしか……。ゲームや漫画に登場する架空言語だ、と言われても普通に騙されると思います。というか初見で架空言語だと思いましたよ私は。

上の画像はABCD…とアルファベット順に並べたもの。より分かりやすく混乱して頂く(?)ために、簡単な英文で試してみましょう。

フォント「Electroharmonix」で作った英文、フォント「Helvetica」で作った英文。文章の内容は同じ。
…………ナ、ナカエ、5……?????

念の為言っておきますが上下ともまったく同じ英文です。ただフォントが違うだけなんです信じてください。……これ初見で読めるネイティブジャパニーズいない説、アリ寄りのアリだと思います(個人の感想です)。

これが何故「日本人にだけ読めない」のか無い知恵絞って考えてみたところ、何となく人間の脳の仕組みが関係していそうです。人が文字を読む時は、まずその形状(と色)を視覚情報として認識します。次に、その視覚情報を元に脳内で対応する「ことば」の情報を探し、変換した結果「この形は〇〇という文字(言語)だ」と判断します。「文字を読む」ってこうして考えると、かなり爆速で複雑な処理をしていたんですね。

私たち日本人はカタカナやひらがな(に近い形状)を見ると、普段からカタカナ・ひらがなを「読み書き」してきた経験から、勝手に脳が「これは日本語だ」と思い込んでしまいます。至極自然なことですが、だからこそカタカナ・ひらがなそっくりに作られているElectroharmonixは、世界中で多くの人が普通に読めるフォントなのに、日本人だけが混乱するという謎の現象を生み出したのです。

フォント「Electroharmonix」を図案に組み込んだ、魔法陣風の画像。ちなみに「The quick brown~…」のテキストは、日本で言う「いろは歌」。
ほら、魔法陣にしても違和感ないでしょ。

なおフォントはこちらから無料でダウンロードできますので、皆様もぜひ楽しく混乱(?)してみてくださいね!

それでは今年も何卒、アトリエ・インフィニティーをよろしくお願いします!


参考サイト:日本人だけが読めないフォント「Electroharmonix」の遊び方


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